鯨食の始まり
四方を海に囲まれた日本では、古来より鯨を重要な食料資源として利用してきました。日本の近海が鯨の回遊路に当たり、鯨類が種類も多く資源豊かに生息している環境が日本人の鯨食文化を育む要因になったと考えられます。
縄文時代の前期までは、沿岸に流れ着いた寄り鯨を海からの恵みとして利用していたと考えられています。その後、縄文時代の中期になると積極的に海に出て捕獲を行うようになったと考えられます。捕獲した鯨は食用として利用されたほか、不可食部位の骨なども土器の製造台などとして有効利用していたことが分かっています。