2016年5月31日(火)

憲政記念館で『全国鯨フォーラム2016東京』開催

 2002年から毎年全国各地の捕鯨に縁の深い自治体で開催している全国鯨フォーラム(注)を、今回捕鯨を守る全国自治体連絡協議会(三軒一高会長)と共に東京千代田区の憲政記念館の講堂で開催いたしました。
 来賓挨拶では農林水産省の伊東良孝副大臣が、全国から一堂に集まった自治体等の関係者を前に、「捕鯨撤収から30年近く経過し、鯨を食べなくても牛肉を食べればいいんだという子どもたちがどんどん増えている」と警鐘を鳴らし、「鯨の美味しさや、食料資源としての鯨の有効性を、子どもたちにも、一般家庭にも教えて行く必要がある」と述べ、今回のフォーラムがそうした取り組みに向けての情報交換の場として有意義な会となることを要望しました。

 第一部の基調講演では、IWC日本政府代表を務める東京海洋大学の森下丈二教授が、「商業捕鯨再開に向けての問題点と処方箋を考える」との演題で、長年捕鯨問題の国際交渉に携わってきた経験を基に、IWCではもはや科学的議論が成り立たないという現実や、鯨食機会の減少による捕鯨問題への無関心の広がりなど、日本が直面する様々な問題点を指摘した上で、今までの枠をはみ出した対応をしない限りIWCでの前進はあり得ないと言明しました。その上で、問題の設定を今までの「守り」から「攻め」に転じることから変えていく必要があると意識改革の必要性を訴えました。



 第二部のパネルディスカッションでは、全国の捕鯨に縁の深い自治体から蝦名大也釧路市長、亀山紘石巻市長、石井裕南房総市長、三原勝利太地町議、大西倉雄長門市長、中尾友昭下関市長、坪井泰助新上五島町議の7名が登壇し、学校給食での鯨料理の提供等、鯨食普及に向けた各地の取り組み状況を発表した他、今後の課題として鯨食普及の取り組みを他の自治体にどのように広めていくか、給食用鯨肉の価格の問題等を含め、様々な意見が出されました。



 最後に、(1)全国鯨フォーラムの継続実施、(2)東日本大震災で被災した捕鯨地域への支援の継続、(3)沿岸小型捕鯨によるミンク鯨捕獲枠の早期解決、(4)南極海及び北西太平洋における鯨類科学調査の継続実施、(5)捕鯨技術の伝承、(6)学校給食への鯨肉供給の拡充について「東京宣言」として発表し、満場一致の賛同を得て、閉会しました。

(注)2002年から2006年までは「日本伝統捕鯨地域サミット」として開催し、その後2007年からはその精神を受け継ぎ「全国鯨フォーラム」として開催しています。